■ Webセーフティーカラー色見本/色理論 ■
    色関係トップ     Webセーフティーカラー色見本     色理論     連絡について
■ 色理論 ■
    色理論/基本     CIE-rgb     CIE-XYZ     CIE-X10Y10Z10     CIE均等色空間への挑戦
    修正マンセル-JIS     パソコンRGB     その他の表色系     参考資料     難しいγ補正
● CIE-XYZ
 
CIEとは、
Commission Internationale de I'Eclairage
国際照明委員会のことです。
 
1931年、xy色度図(XYZ表色系)が制定されたました。
この時点では、色を表すのは2次元空間でした。
その後、二つの色を比べる必要性から、1941年にAdmas氏により、すでに均等色空間のモデルとして考えられていた、マンセル表色系色空間から色差式を考えました。
今日では、改良を加えたAdamas−Nickersonの式として知られています(下記参照)。
  Adamas-Nickersonの色差(ΔEAN)式
    ΔEAN=40[(0.23ΔVY2+{Δ(VX-VY)}2+{0.4Δ(VZ-VY)}2]1/2
    ΔVY :二つの表面色の明度指数VYの差
    Δ(VX-VY):二つの色のVX-VYの差
    Δ(VZ-VY) :二つの色のVZ-VYの差
  三刺激値X,Y,ZとVX,VY,VZの対応
    1.01998X=1.2219VX-0.23111VX2 +0.23951VX3-0.021009VX4+0.0008404VX5
    Y=1.2219VY-0.23111VY2+0.23951VY3-0.021009VY4+0.0008404VY5
    0.84672Z=1.2219VZ-0.23111VZ2+0.23951VZ3-0.021009VZ4+0.0008404VZ5
また、1948年には、三刺激値(X,Y,Z)から簡単な式で変換される色空間(今日のL色空間に相当)がHunter氏により提案され、同時に色差式も考案されました。
  Hunterの色差(ΔEH)式
    ΔEH=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2
      ΔL:二つの表面色の明度指数Lの差
      Δa:二つの表面色のaの差
      Δb:二つの表面色のbの差
  三刺激値X,Y,ZとL,a,bの対応
  L  =10Y1/2
    a=17.5 (1.02X-Y) / Y1/2
    b=7.0 (Y-0.847Z) / Y1/2
そうこうする内に、xy色度図上の輝度が一定で数多くの色度(中心色度)の色について、この中心色度の色と等しい色となるように加法混色による等色実験を繰り返し行われました(MacAdam氏による)。
その結果、中心色度の色が必ずしも一致せず、中心色度を中心にばらつき(変動)を生じました。
また、中心色度に対する一定のばらつき(標準偏差)を取ると中心色度を中心に楕円を描くことが出来ます(右図参照)。
xy色度図上で25色を中心色にする等色変動楕円は、中心色の色度と識別出来ない領域になります。
図から分かるように楕円の大きさが中心色の色度によって異なり、青色領域では楕円が小さく、緑色領域では、楕円が大きくなっています。
つまり、青色領域ではわずかな色度差でも知覚的な差として検出出来るのに、緑色領域ではかなりの色度差の隔たりがないと検出出来ないことを示しています。
すなわち、xy色度図は色度差が知覚的色度差と対応していない不均一な色度図であることが分かります。
色度図上でのどの位置でも、色度図上での等しい距離が知覚的に等しい差になるような表色系があれば、実用的になります。
そこで、xy色度図を改良した次式で示されるuv色度図(一般には、UCS色度図(uniform−chromaticity scale diagram)という)がJudd氏により考えられました。
  座標(u,v)は座標(x,y)から求める
      u=(0.4661x+0.1593y)÷(y-0.15735x+0.2424)
      v=0.6581÷(y-0.15735x+0.2424)
その後、MacAdam氏、Breckenridge氏とSchaub氏、Hunter氏らがUCS表色系を提案しました。
これらの表色系の甲乙は、付けがたいものでしたが、変換式が簡単で実用的なMacAdam氏の式が、1960年CIEにより採択されました。
これがuv色度図(一般には、CIE 1960 USC色度図という)で、式は次の通りです。
 xy座標から
      u=4x÷(-2x+12y+3)
      v=6y÷(-2x+12y+3)
 三刺激値X,Y,Zから
      u=4X/(X+15Y+3Z)
      v=6Y/(X+15Y+3Z)
その後、xy色度図の等色実験のデータ(MacAdamの楕円)をuv色度図に当てはめて見ました(左図参照)。
楕円の大きさは均一がとれ、改善されました。
そして、CIEでは均等色空間と色差式を考える必要があり、1964年にuv色度図を元にする、 次の式で表されるU色空間(CIE1964色空間)を勧告し、活用されました。
    U*=13W*(u-un)
    V*=13W*(v-vn)
    W*=25Y1/3-17
      (1≦Y≦100)
ここで、
      U*、V*:平面の座標軸
      W*:明度指数
      un、vn:標準白色面のuv色度座標
      u、v:照明光源下での対象物体のuv色度座標
      Y=0の場合、W*=-17になり、
      Y=100の場合、W*=約99になる。
色差(ΔE)式は、次の通り
  2つの色のU*V*W*の値を
  それぞれ (U1*,V1*,W1*)と
  (U2*,V2*,W2*)にする
  ΔE=[(ΔU*)2+(ΔV*)2+(ΔW* )2]1/2
但し、
  ΔU*=U1*-U2*
  ΔV*=V1*-V2*
  ΔW*=W1*-W2*

uv色度図上のMacAdamの偏差楕円で青色領域において、まだ小さいというクレームが付き、改善が要求されたのでuv色度図のv軸を1.5倍した次式と次図で示されるu’v’ 色度図(一般にはCIE 1976 UCS色度図という)が勧告されました。
  u'=4x/(-2x+12y+3)=4X/(X+15Y+3Z)
  v'=9y(-2x+12y+3)=9Y/(X+15Y+3Z)
L*a*b*を決めるまでの流れ
  Adamas-Nickersonの色差(ΔEAN)式
    ΔEAN=40[(0.23ΔVY)2+{Δ(VX −VY)}2+{0.4Δ(VZ−VY)}2] 1/2
  をHunterの色差(ΔEH)式
      ΔEH=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2 ]1/2
  のように表現し、明度指数L及び知覚度数指数a,bを計算すると
      L=9.2VY
      a=40 (VX−VY)
      b=16(VZ−VY)
  となる。色相の回転方向と逆になりようにbの式を加工すると
      b=16(VY−VZ)
  になる。
  CIEによるとL*=10VYなので
      L*=10VY=116(Y/Yn)1/3−16
  従って、
      VY=11.6(Y/Yn)1/3−1.6
  VX , VZも同様に
      VX=11.6(X/Xn)1/3−1.6
      VZ=11.6(Z/Zn)1/3−1.6
  VX , VY , VZ各式の右辺をL,a,b各式に代入すると
      L=9.2VY=106.7(Y/Yn)1/3−14.72
      a=40 (VX-VY)=464[(X/Xn)1/3 −(Y/Yn)1/3]
      b=16(VZ-VY)=185.6[(Z/Zn)1/3 −(Y/Yn)1/3]
  Y=YnとすればL=約92になる。
  Y=YnのときL=100がよいので、
  調整係数として100/92=1.087を直前のL,a,b各式に掛け、
  さらに、L,a,b表記をL*,a*,b*表記にする。
        L*=116(Y/Yn)1/3−16
        a*=504.3[(X/Xn)1/3−(Y/Yn)1/3]
        b*=201.7[(Y/Yn)1/3−(Z/Zn)1/3]
  係数が端数であると計算が大変なので、端数をなくし、式をまとめると次のようになる。
    CIE 1976 L*a*b*均等色空間式
        L*=116Y1/3−16
        a*=500(X1/3−Y1/3)
        b*=200(Y1/3−Z1/3)
          X:X/Xn>0.008856のとき、X/Xn
          X:X/Xn≦0.008856のとき、7.787(X/Xn)+(6÷116)
          Y:Y/Yn>0.008856のとき、Y/Yn
          Y:Y/Yn≦0.008856のとき、7.787(Y/Yn)+(16÷116)
          Z:Y/Yn>0.008856のとき、Z/Zn
          Z:Y/Yn≦0.008856のとき、7.787(Z/Zn)+(16÷116)
      
色空間(CIE 1976 L色空間)の式やMacAdamの楕円との関係は、次の通りです。
  流れ
  CIE 1964 U*V*W*色空間では、
      U*=13W*(u-un)
      V*=13W*(v-vn)
      W*=25Y1/3-17
          (1≦Y≦100)
  Y=0の場合W*は-17になり、
  Y=100の場合W*は約99になった。
  W*は明度指数なのでL*と書き換えられる。
  CIEではY=100=L*にならないの不都合であるとして、明度係数L*
      L*=116(Y/Yn)1/3− 16Y/Yn>0.008856
      L*=903.29 (Y/Yn)Y/Yn≦0.008856
  とした。
  CIE 1964 U*V*W*色空間の修正式を
      W*=25Y1/3-17
      U*=13W*(u-un)
      V*=19.5W*(v-vn)
  とした。
  さらに、U*,V*をu*,v*に書き改めると
      u*=13L*(u-un)
      v*=19.5L*(v-vn)= 13L*×1.5(v-vn)
  となり、
      u*=13L*(u'−u'n)
      v*=13L*(v'−v'n)
  とした。なお、
      u*=4X/( X+15Y+3Z)
      v*=9Y/( X+15Y+3Z)
      u'n=4Xn÷(Xn+15Yn+3Zn)
      v'n=9Yn÷(Xn+15Yn+3Zn)
  であり、X,Y,Zは三刺激値で、
  Xn,Yn,Znは完全拡散反射面の三刺激値である。
  CIE 1976 L*u'v'色空間の色差(ΔEuv)式は次の通り。
      ΔEuv=[(ΔL*)2+(Δu')2+(Δv')2]1/2
      ΔL*,Δu',Δv'は2つの色のそれぞれのL*,u',v'の差
      
※なお、より知識を深めていきたい方は、専門家にご相談下さい。
▲このページ一番上へ
    色理論/基本     CIE-rgb     CIE-XYZ     CIE-X10Y10Z10     CIE均等色空間への挑戦
    修正マンセル-JIS     パソコンRGB     その他の表色系     参考資料     難しいγ補正
© KinutaHandicraft 15th Anniversary